アイソル株式会社

最終確認画面の表示義務チェックリスト|特商法で求められる6項目

2026.09.17

ネット通販の申込みで、確定ボタンを押す直前に出てくる画面を「最終確認画面」と呼びます。特定商取引法12条の6が、この最終確認画面に6項目の表示を求めています。最終確認画面のガイドラインをどう読み、自社のカート画面のどこに何を置けばよいのか。EC担当者が今日から使えるチェックリストとして整理します。

最終確認画面とは何か 特商法12条の6が求めているもの

最終確認画面とは何か 特商法12条の6が求めているもの

最終確認画面とは、通信販売で申込みの確定ボタンを押す直前に表示される画面のことです。カートに入れて、住所を入れて、支払方法を選んで、最後に「ご注文内容の確認」と出てくる、あの画面ですね。ここが法律上の特別な位置づけを持っている、という点をまず押さえてください。

現行の特定商取引法12条の6は、この最終確認画面に一定の項目を表示するよう求めています。求められているのは、分量、販売価格・対価、支払時期と方法、引渡・提供時期、申込みの撤回・解除に関する事項、そして申込期間の定めがあるときはその内容、の6つです。商品ページのどこかに書いてあるから大丈夫、とはなりません。最後の画面で、消費者が申込みの中身を確かめられる状態にしておく必要があります。

EC担当者からよく聞くのが「利用規約にすべて書いてあるのに、なぜ画面にも書くのか」という疑問です。理由は単純で、規約を最後まで読んでから注文ボタンを押す人はほとんどいないからです。法律は、読まれる場所に置くことを求めています。

6項目チェックリスト 画面のどこに何を置くか

6項目チェックリスト 画面のどこに何を置くか

6項目を、自社の最終確認画面に当てはめる形で整理します。表の右側は、実際の画面でどこに置くかの目安です。順番そのものが法律で決まっているわけではありませんが、消費者の目線の動きに沿って上から並べると、確認しやすい画面になります。

項目 何を書くか 画面での置き場所の目安
分量 個数、内容量、回数。定期購入なら各回の分量と総回数 商品名のすぐ横または直下
販売価格・対価 商品代金、送料、手数料、税込みの支払総額 明細ブロックの末尾に総額を大きく
支払時期と方法 クレジット決済か代引きか。いつ引き落とされるか 総額の直下
引渡・提供時期 発送予定日、到着目安、サービス開始日 配送先情報のブロック内
申込みの撤回・解除に関する事項 返品の可否と条件、期限、送料負担。定期の解約方法 確定ボタンの直前
申込期間の定めがあるとき 「◯月◯日まで」など期間限定販売の内容 該当する商品の行内

この表を、そのまま自社の画面と突き合わせてみてください。6項目のうち抜けやすいのは、経験上、分量と申込みの撤回・解除に関する事項の2つです。理由は次の見出しで説明します。

定期購入で最も抜けやすいのは「分量」の書き方

定期購入で最も抜けやすいのは「分量」の書き方

単品販売なら、分量は「1個」と書けば済みます。難しいのは定期購入です。たとえば、初回だけ割引で、2回目以降は通常価格、しかも数回の継続が条件という設計。このとき最終確認画面に「1個」とだけ書いてあったらどうなるでしょうか。消費者は1個だけ買ったつもりになります。

分量の欄には、各回の分量と、契約全体で何回届くのかまで示しておくのが安全です。あわせて、初回の支払額だけでなく、契約全体でいくら支払うことになるのかも書いておくと、あとから「そんなつもりではなかった」という連絡を受けずに済みます。表示義務の話であると同時に、返金対応の件数を減らす話でもあります。

2026年9月2日の中間取りまとめでは、支払金額・違約金・分量・契約期間などを、一般的な消費者が通常の注意を払っても正確かつ容易に認識できない虚偽・不明瞭な表示が、規律対象の1つとして挙げられました。分量の書き方は、現行法でも今後の議論でも、中心に置かれている論点だと言えます。

私たちも実際に数えてみました。2026年9月に、定期購入を扱う通販サイトの「特定商取引法に基づく表記」ページを38件開き、何が書かれているかを1件ずつ確認しています。最低継続回数、いわゆる回数縛りに触れていたページは、38件中0件でした。返品・キャンセルの特約は37件、定期の仕組みへの言及は32件ありましたから、書く欄がなかったわけではありません。

回数縛りが見当たらないサイトでも、別ページの「定期便ガイド」を開くと、2回目までは解約できない旨が書かれていることがあります。つまり、契約で一番重い条件が、法定の表記ページから離れた場所に置かれている状態です。最終確認画面の「分量」の欄は、この距離を縮められる数少ない場所です。ここに総回数を書いておけば、消費者は注文を確定する直前に条件を知ることができます。

なお、この38件は大手・中堅の公式通販に寄った集まりです。トラブルが集中しやすい小規模な単品ページは多く含まれていません。数字は甘い側に出ていると考えてください。

「申込みの撤回・解除に関する事項」は解約導線まで含めて考える

「申込みの撤回・解除に関する事項」は解約導線まで含めて考える

6項目のなかで、いちばん書き方に幅が出るのがこの項目です。返品を受け付けるのか、受け付けないのか。受け付けるなら何日以内か。送料は誰が負担するのか。定期購入なら、いつまでに、どの方法で連絡すれば次回分を止められるのか。この4点を書けば、ひとまず形にはなります。

問題は、画面に書いてあることと、実際の解約導線が食い違っているときです。「マイページからいつでも解約できます」と書いてあるのに、解約ボタンが何階層も下にあって、途中に引き止めの画面が何枚も挟まる。こうした構成は、中間取りまとめが挙げた類型に触れるおそれがあります。

2026年9月2日の中間取りまとめでは、行政処分の対象として新設が提言されたものに、解約手続を不当に遅延させる行為と、契約手続に比べて合理的理由なく過度に複雑な解約手続を課す行為が含まれています。また、事実確認をせず返品特約のみを理由に権利がない旨を告げる行為も挙がりました。カスタマーサポートの返答テンプレートも、あわせて見直す対象になります。

この項目が実際にどこまで書かれているのか、2026年9月6日に自分たちで数えてみました。定期購入やサブスクを扱う通販サイト59件を対象に、公開されている「特定商取引法に基づく表記」のページを読み込み、判定できた38件を集計しています。

書かれていた項目 38件中の割合
返品・キャンセルの特約 97.4%
「定期」への言及 84.2%
「解約」という語 26.3%
解約の締切(◯日前まで) 36.8%
最低継続回数 0.0%

返品の特約は、ほぼすべてのサイトが書いていました。ところが解約に触れていたのは4社に1社ほどです。締切に至っては3社に1社でした。ここはまさに、最終確認画面の6項目でいう「申込みの撤回、解除に関する事項」にあたる部分です。

数え方の限界も書いておきます。母集団は大手と中堅の公式通販に寄っており、トラブルが集中しやすい小規模のランディングページは多く含まれていません。つまりこの数字は、実態よりも甘い側に出ていると考えられます。残り19件はページを取得できず、判定していません。ページが存在しないという意味ではありません。

表示の「見え方」まで見る 書いてあるだけでは足りない

表示の「見え方」まで見る 書いてあるだけでは足りない

6項目が画面のどこかに存在していても、実際には読めない状態になっていることがあります。よくあるのは次のような形です。自社の画面をスマートフォンで開いて、順に確かめてみてください。

  • 解約条件が、数行分しか見えないスクロール枠のなかに押し込まれている
  • 薄いグレーの文字で、背景との差がほとんどない
  • 総額がページ最上部にあり、確定ボタンは最下部にあって、同時に見えない
  • 重要な条件が「詳しくはこちら」のリンク先にしか書かれていない
  • スマートフォンだと確定ボタンが先に画面に入り、条件は下にスクロールしないと出てこない

中間取りまとめは、一般的な消費者が通常の注意を払っても正確かつ容易に認識できない表示を問題としています。つまり、文字が存在するかではなく、普通に見て分かるかが問われる方向です。確認の方法は難しくありません。社内の、そのサービスを担当していない人に注文画面を見せて「これ、全部でいくら払うことになる?」と聞いてみてください。数秒で答えられなければ、直す価値があります。

中間取りまとめと海外の動き 最終確認画面まわりはどう変わるか

2026年8月24日、消費者庁の有識者会議「デジタル取引・特定商取引法等検討会」の第8回で、ダークパターンを包括的に規制する中間取りまとめ案が示されました。修正意見を受けて案は書き直され、9月2日の第9回会合で中間取りまとめになりました。案の段階は終わっています。中間取りまとめは、特商法を改正してダークパターンを包括的に取り締まる方針を明記しました。この記事のテーマにとって大きいのは、規制の範囲です。広告の表示だけでなく、最終確認画面、注文後のアップセル、解約手続きにまで及びます。違反した事業者には行政処分を検討するとされています。

時間軸も2段階で固まりました。違反にあたる表示の具体は、政省令とガイドラインに委ねられました。その詰めは年内に行われます。そのうえで、2027年の通常国会に特商法の改正案などの関連法案を出すことが目指されています。最終確認画面まわりも、この議論の射程に入っています。

規制の方式に特徴があります。法律には一定程度包括的な基準だけを置き、下位法令やガイドラインで、違法なパターン(ブラックリスト)と適法なパターンを示す形が想定されています。手口が変わるたびに法改正を待たずに追随するためです。EC担当者にとっては、条文だけを見ていても足りず、ガイドラインの更新を追い続ける運用が必要になる、ということでもあります。

規律対象として想定されている類型 最終確認画面での接点
核心的条件の不明瞭表示 総額、分量、契約期間、違約金の書き方そのもの
取引判断に影響する情報の虚偽表示 口コミ、在庫、タイムセールの残り時間の表示
攻撃的表示 操作を繰り返させる、威迫的な文言で申込みを迫るUI

規制は広告・契約・解約の各段階に設けられる方向とされています。最終確認画面は契約段階の中心にあたるため、優先して点検する価値があります。なお、罰則については中間取りまとめに具体的な法定刑は書かれておらず、広告場面のダークパターンは行政規律による是正を基本とすべきと整理されました。取消権などの民事上の効果を与えることは、一般の取引への影響が大きいとして慎重に検討すべきとされています。また、適格消費者団体による差止請求の対象にすることも検討対象に入っています。

海外に目を向けると、米国では、解約を申込みと同じくらい簡単にすることを求めるclick-to-cancelルールが、2025年半ばに手続き上の理由で裁判所に無効とされました。ただし、FTCは既存の法律にもとづく取り締まりを続けています。2025年には、AmazonがPrimeの解約のしにくさをめぐって25億ドルで和解しました。ルールの形が変わっても、解約のしにくさが問われる流れ自体は止まっていません。

国内では、一般社団法人ダークパターン対策協会が、被害額は年間で最大約3兆2千億円に及ぶ可能性があると推計しています。同協会は2025年10月15日から、NDD認定(Non-Deceptive Design、人をだましていないデザインの認定)の運用を始めました。法律の施行を待たずに、第三者に見せられる状態を作る動きが、すでに始まっているわけです。

審議資料と個別のトラブル事例は、次で確認できます。

よくある質問

Q1. 6項目は、必ず1つの画面にまとめて表示しないといけませんか。

A1. 消費者が申込みの内容を確かめられる状態にすることが目的です。ですから、確定ボタンを押す前に、スクロールの範囲内で自然に目に入る配置にしておくのが安全です。別ページのリンク先にしか書かれていない状態は、認識しにくい表示にあたるおそれがあります。2026年9月5日時点では、この点をさらに具体化するガイドラインの整備が議論されている段階です。その議論は年内にまとまる予定です。

Q2. 送料が住所によって変わる場合、総額はどう書けばよいでしょうか。

A2. 住所の入力後に送料が確定するのであれば、最終確認画面では確定した送料と、それを含めた税込みの支払総額を示してください。商品代金だけを大きく出して、送料を別の小さな行に置く構成は、総額を認識しにくくします。総額をいちばん大きく表示する、という原則で組み立てるのがおすすめです。

Q3. 定期購入ではありませんが、点検は必要ですか。

A3. 必要です。特定商取引法12条の6は通信販売の申込画面に関する定めで、定期購入だけを対象にしたものではありません。単品販売でも、返品の可否と条件、引渡時期、税込総額は示す必要があります。単品のほうが記載量は少なく済みますから、点検の負担も小さいはずです。

Q4. 中間取りまとめが出た今、すぐに画面を作り替えるべきでしょうか。

A4. 作り替えの前に、まず現行の12条の6の6項目が満たされているかを確かめてください。中間取りまとめは2026年9月2日にまとまりましたが、法律の改正はこれからです。2026年9月5日時点で、政省令もガイドラインもまだありません。一方で、現行法の表示義務はいま効いています。順序としては、現行法への対応を固めたうえで、解約導線の複雑さなど、今後論点になりそうな部分を洗い出しておくのがよいでしょう。

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まとめ 最終確認画面のガイドライン整備を待たずにできること

最終確認画面に求められる6項目は、分量、販売価格・対価、支払時期と方法、引渡・提供時期、申込みの撤回・解除に関する事項、申込期間の定めがあるときはその内容です。抜けやすいのは分量と、申込みの撤回・解除に関する事項の2つでした。定期購入では各回の分量と総回数、契約全体の支払額まで示す。解約条件は、確定ボタンの直前に、普通に読める大きさで置く。この2点を直すだけで、画面の質はかなり変わります。

2026年9月2日の中間取りまとめでは、核心的条件の不明瞭表示、取引判断に影響する情報の虚偽表示、攻撃的表示の3類型が規律対象として想定され、解約手続を不当に遅延させる行為なども行政処分の対象として提言されました。最終確認画面のガイドラインがこれから整備されていく流れのなかで、書いてあるかではなく、普通に見て分かるかが問われるようになります。

制度の細部が固まるのを待つ必要はありません。6項目は現行法がすでに求めているものですし、自社の画面をスマートフォンで開いてこの記事の表と突き合わせるだけなら、担当者1人でも今日のうちに終えられます。どこまでが表示義務の範囲かの判断に迷ったときは、アイソル株式会社にご相談ください。ECサイトの制作と運用の両面から、画面設計と表記の整理をお手伝いしています。

自社サイトの表示や解約導線について判断に迷う場面があれば、お問い合わせページよりご相談ください。現在の画面を一緒に確認しながら、無理のない優先順位を整理します。

この記事は、Webサイトの表示と解約導線の設計を手がけるアイソル株式会社が作成しています。消費者庁および関係団体の一次資料にあたって確認しました。最終更新: 2026年9月6日。